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不動産投資の上手な始め方 〜9割の人がスタートで失敗するワケ〜

「不動産投資の上手な始め方」とは?

このコラムを読み始めていただいたあなたはきっと不動産投資や賃貸経営にご興味がある方でしょう。

 

もしかしたら、“始めの一歩”としてどんな物件を購入すればいいのかを検討されている最中なのかもしれません。

 

そんな方の出鼻を挫くようで恐縮ですが、現役の大家として最初にこれだけは断言しておきます。

 

不動産投資は「誰にでもできる資産運用」ではありません。ましてや、賃貸経営は世で言われるような「不労所得」では決してないのです。

 

もちろん、一般的に「ローリスクミドルリターン」と言われているように、不動産投資は正しいやり方で行えば、少ないリスク(不確定要素)で堅実なリターンをあげられる方法ではあります。

 

ただし、そのためには他の投資方法や事業と同じように継続的な努力が必要となってきます。

 

もしあなたが「楽して儲けたい」と思って不動産投資を考えているのであれば、悪いことは言いません、いますぐ「回れ右」することをオススメします。

 

実は、不動産投資は「9割がスタートで失敗する」と言われています。

 

比較的安全と謳われる不動産投資がなぜそんなことになるのでしょうか? それは「不動産投資の上手な始め方」を知っている人が少ないからです。

 

自ら賃貸経営を行う「“お金の相談”の専門家」ファイナンシャルプランナー(FP)が、ほとんどの人がスタートで不動産投資を失敗するワケを徹底的に解説します。


いつまで経っても始められない人の特徴

あなたが不動産投資や賃貸経営を始めようと思ったら、まずなにから手をつけるでしょうか。

 

本屋に行けば読みきれないほどの「不動産投資指南本」がズラッと棚に並んでいますし、ちょっとインターネットを覗けばそれらしい情報を載せたサイトにたどり着くこともできます(ここのその一つかもしれません-笑)。

 

そうした情報蒐集ももちろん大事ですが、あまりに世の中に情報が溢れかえっているせいか、その段階で次にどうしていいのか分からず立ち止まってしまっている方も多く見受けられます

 

例えば、amazonのレヴューを読むとこうした不動産投資指南本をかたっぱしから読み漁っている人の書き込みも目につきますが、私に言わせれば指南本の内容などどれも似たようなものですから、数多く読むことにあまり意味は感じられません。

 

こうした情報収集は、言ってみれば不動産投資の前段階。そこ脱して実際に不動産投資を始めるためには、当然具体的な物件を見つけなければなりません。そう、あなたがどこかの不動産業者に足を運ばなければ、現実の不動産投資のスタートにはならないのです。

 

そして、この「不動産業者の付き合い方」こそがあなたの不動産投資の成否を分ける大きなポイントとなる点は十分肝に命じておくべきでしょう。


大事なのは“あなたの姿勢”

誤解のないように申し上げますが、私はここで「良い不動産業者」と「悪い不動産業者」を論じるつもりはありません。

 

もちろん業者の良し悪しや担当者との相性も重要な要素ですが、それ以上に大事なのが「不動産業者とどう付き合うか」という“あなたの姿勢”だからです。

 

例えば、あなたが初めて不動産業者に訪れ「なにか良い物件はありませんか?」と聞いたとします。あるいはもっとストレートに「お宝物件が欲しいんですけど!」というアプローチをする方もいるかもしれません(笑)。

 

そんな時不動産業者から提示される「良い物件」が、あなたにとって「良い物件」である可能性は、残念ながら限りなく低いでしょう。

 

この場合の「良い物件」とはあなたにとってではなく不動産業者にとっての「良い物件」、言い方を変えれば不動産業者が「売りたい物件」だからです。

 

例え話で考えてみましょう。

 

あなたが初めて入った飲食店でメニューを開くと、そこにオススメと書いているものがあったとします。勧められるままそのメニューを注文する方もいらっしゃるでしょうが、果たしてそんな“お店のオススメ”とはどんな商品でしょうか。

 

当然お店の看板メニューですから味に自信のある商品ではあると思います。ただそれと同時に原価が安い、つまり「利益率の高い商品」であるケースがほとんどでしょう。

 

それはそうです。一番よく出るオススメメニューの利益が少なかったらその店の商売は上がったりですから(笑)。


不動産業者の利益構造を知ろう

扱う商品の金額は何桁も違いますが、同じことが収益物件を扱う不動産業者にもあてはまります。

 

お客様の意向がどうであれ、チャンスがあれば彼らにとって利益をもたらす商品(この場合は“物件”)を勧めてくるのは、彼らの行動原理としてある意味当然のことと言えるでしょう。

 

具体的にどんな物件を勧めてくるかは、その不動産業者の利益構造を考えてみれば分かります。不動産業者の利益構造には大きく2つのタイプがあります。

 

まずは「収益物件を自社商品として売るケース」です。

 

この場合は物件を安く仕入れ、そこに利益を乗せて消費者に売るのが基本的な利益構造となります。

 

ということは、当然自社商品を売らないと商売になりません。他の選択肢には触れず、ただ自社商品の利点のみをアピールするのが営業マンの使命となってしまいます。

 

つまり、彼らにとっては利益をもたらしてくれる自社商品こそが「良い商品」となるわけです。

 

もう一つは、「収益物件を不動産業者が仲介するケース」です。

 

こちらの場合は売買契約が成立して仲介手数料をもらえなければタダ働きとなってしまいますから、自ずと「売買契約を成立させる」というのが彼らの行動原理となってきます。

 

そう考えれば、どんな物件をオススメしてくるかは容易に想像がつきます。

 

そうです、彼らにとってに良い物件とは「売買契約が成立しやすい物件」です。そうした物件があなたにとっての「良い物件」と一致するかどうかには疑問を持たざるを得ません。

 

余談になりますが、不動産業者が各地で行う「無料セミナー」もすべて彼らのこうした行動原理に基づいて開催されています

 

わざわざ会場に足を運んでみても、繰り広げられるのは売り手にとって都合のよいお話だけ。そうした口車に乗ってしまうようでは、この時点で不動産投資の失敗は決まったようなものです。


100人いれば100通りの「良い物件」がある

話を本筋に戻しましょう。

 

不動産投資のスタートで失敗しないために、換言すれば不動産投資をうまく始めるために大事なこと。それは、自分にとって「良い物件」がどんなものかをよく検討することに他なりません。

 

こうして文章にすると当たり前のことに思えますが、現実にはその当たり前のことをやらずに、その結果不動産業者の思惑通りに動かされている人は決して少なくありません。物件を買った時は良くても、何年か後に「こんなはずじゃなかった」と後悔するケースは枚挙に暇ないのです。

 

収益物件を構成する要素は様々です。予算はもちろんですが、利回り・エリア・間取り・建物構造・築年数など検討する材料はたくさんあります。

 

その人の「不動産投資のゴール」をどこに設定するかで、これらの要素をどう考えるかは大きく変わってきます。例えば、短期的に収益を上げたいのであれば、なるべく予算がかからない構造の建物で効率良く家賃収入を得ることを考えるべきですし、子どもに資産を残すことが目的であれば、反対にお金をかけて長く資産価値を保てる建物に主眼を置いても良いはずです。

 

不動産投資を始める人にとって、そのゴールは“人それぞれ”。ちょっと大げさな言い方をすれば100人いれば100通りの「良い物件」があると言えるでしょう。


あなたにとっての「良い物件」を探そう

実際に私が不動産投資のお手伝いをする時は、このあなたによっての「良い物件」の方向性を決めるために十分な時間をかけて議論します。その方のご年齢や家族構成、現在の資産状況やこれからのキャッシュフローによっても最善の選択肢は変わってくるからです。

 

不動産業者のセールストークではありませんから、その過程でするお話はなにも不動産投資のメリットばかりではありません。また、一度聞いただけでは理解の難しいような税務関係のお話もあります。

 

残念ですが、「楽して儲けよう」などと考えて不動産投資を志した人はほとんどがここで脱落します。これまで見聞きしてきたことが「ウソ」とまでいかなくても、「ホントの一部分」でしかないことが分かるからです。

 

しかし私はそれならそれで良いと思っています。酷な言い方のようですが、その程度の甘い考えでは無理して大家業を始めたところで十中八九失敗するでしょう。

 

繰り返し申し上げます。

 

不動産投資は「誰にでもできる資産運用」ではありませんし、賃貸経営は世で言われるような「不労所得」ではありません。きちんとリスク(ブレ幅)を理解した上でそれを乗り越える覚悟を持った人だけが、大家として成功を収めることができるのです。

 

そのための第一歩は、あなたにとっての「良い物件」をしっかりと検討すること。それがどんな方法にも勝る「不動産投資の上手な始め方」なのです。


(2017/08/23 文責:佐野純一)

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