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「無料セミナー」こそコストのムダ 〜無料(タダ)の裏側をご紹介します!〜

「無料セミナー」の裏側お教えします

「無料セミナー」と銘打たれた催し物が、日本各地で毎日のように行われています。

 

その題材は多種多様ですが、「無料」ということで多くの人を集めているセミナーもあり、中には無料のみならずプレゼントまで用意して受講者を集めるものも。

 

参加する側としては「無料(タダ)だからいいか」という心理も働くのかもしれません。

 

しかしながら、実はこうした無料セミナーにこそ参加者は高いコストを払っていることにお気づきでしょうか?

 

「タダより高いものはない」の言葉通り、無料の裏側には必ず理由があります。そんな無料セミナーの実態に迫ってみましょう。


主催する会社に注目しよう

インターネットで「無料セミナー」と検索すると、様々なセミナーがヒットします。

 

例えば、
「株式投資の無料セミナー」
「安定家賃を得られるマンション経営セミナー」
「女性向け無料保険セミナー」
「学校で教えないお金セミナー」
などが代表的なところでしょう。

 

初めに断言しておきますが、これら無料セミナーの中で、ボランティア活動や社会福祉の精神に基づいているものは一つもありません。全てのセミナーが何らかの営利目的で行われています

 

誤解のないように申し上げますが、私は営利目的自体を否定するつもりは毛頭ありません。むしろ仕事である以上、営利目的でない活動のほうがよほど不健全だと考えています。

 

ただし、営利活動をあたかもボランティア活動のように振舞うのはもっと不健全です。この場合は、消費者自身が自らの目で営利目的の内容を見極めなくてはなりません。

 

それでは、無料セミナーの営利目的をどうやって見極めればいいのか?

 

一番簡単なのは、そのセミナーを主催している企業に注目する方法です。

 

「株式投資の無料セミナー」を証券会社が主催していれば証券を売るのが目的ですし、「安定家賃を得られるマンション経営セミナー」をマンションデベロッパーが主催していたら自社マンションを購入させることが目的です。「女性向け無料保険セミナー」が生命保険会社の手で行われていたのであれば、言うまでもなく生命保険の販売ツールでしかありません。

 

これらのケースではセミナーの「主題」と主催者が売る「商品」が同一線上にあるので、ある意味ではこれ以上ないほど分かりやすい構造になっています。

セミナーそのものが商品になるワケ

逆に本質が見えにくいのが、いわゆる「マネーセミナー」の類です。

 

「お金の賢い貯め方」とか「これからの時代に生き残っていくためには」など切り口は様々ですが、主題が商品と直結しない上にセミナーを主催する会社が金融商品を販売する会社ではなかったりします。

 

まさかこれらのセミナーは本当にボランティアとしてやっているのか?もちろん、そんなことは万が一にもあり得ません(笑)。

 

実はこうしたセミナーは、このセミナー自体が商品です。

 

「無料なのに商品?」と不思議に思った方、ごもっとも。そんな方は考え方を180度変えてみてください。

 

このセミナーという商品は、セミナーに参加する方々に向けてではなく、セミナー講師に向けて売られるものなのです。

 

どういうことでしょうか?

 

金融商品販売業者にとって一番の命題は集客です。どんなに良い商品を持っていてもお客様を集められなければ意味がありません。その意味で、集客はそのビジネスが存続するか否かの命綱と言えます。

 

ですから、彼らは「集客」を買うのです。

 

一方で金融商品を販売していなけれど、集客能力がある企業もあります。ある程度知名度のある会員制の会社などがそれに当たります。彼らは集客が商品になることを知っています。

 

ですから、彼らはセミナーという形の「集客」を売るのです。

 

ここに両者の利害関係が一致し、「セミナー=集客」という商品が出来上がるのです。

 

当然のことながら、「集客」を買った販売業者は当然元を取らなければなりません

 

表向きはまるで善意の人のように振舞うことも多いですが、仕入れよりも売り上げが上回らなければ商売として成り立たないのはこの世の常。セミナーに集まった人に対し、懸命に自社製品を売り込みにかかります。


全ての道は商品販売に通じる

もうお分かりですね。

 

商品に直結している場合にせよ、集客を買った場合にせよ、「集まった人たちに自社製品のPRをする場所」。それが「無料セミナー」の正体です。

 

もちろん販売業者もバカではありません。初めから直接的な商品へのアプローチをするようなマネはしないでしょう。

 

世界市場や社会情勢を語ったふりをしながら、全ては売りたい商品につながっていく。そんな仕組みを作っています。

 

その時、自社製品にとって都合の悪いことを声高に話す業者はいません。例えば、運用商品なら元価割れのことはあまり触れないでしょうし、外貨なら為替リスクのことをわざわざクローズアップしません。多くの保険商品で資産の流動性が犠牲になることを説明すうようなこともないのです。

 

でも、ちょっと待ってください。

 

私が常日頃が申し上げているように、完全無欠の商品などこの世に存在しません。どんな商品にも必ずメリットとデメリットの双方が存在するはずです。メリットを考えるだけでは本当にその金融商品があっているかどうか判断できるわけがありません。

 

そう考えると、「その商品のメリットだけをセミナー形式で一方的に聞かされる場所」。無料セミナーをこんな風に定義することもできそうです。

手間暇かけて売り込み聞きに行きますか?

人は「無料(タダ)」という言葉に弱いものです。無料セミナーもその心理を巧みについたものと言えるでしょう。

 

確かに無料セミナーに参加しても、かかるお金を交通費ぐらいでしょう。

 

しかし、その無料セミナーの内容が単なる商品の売り込みであるならば、あなたは大きなコストを払っていることになります。

 

なぜなら、あなたはその無料セミナーに出席するためにスケジュールを調整して出かけていきます。その結果得られるものが商品の売り文句だけであるならば、あなたは大事な「時間コスト」と「労力コスト」をムダにしているからです。

 

ましてや、そうしたセミナーに出た結果、自分に不要な、あるいは合っていない金融商品を買ってしまったらどうなるでしょうか。

 

そうした金融商品はきっとライフプランに悪影響を与え、あなたは「タダより高いものはない」の言葉の意味を噛み締めることになってしまうのです。

 

セミナーと同じように各地で行なわれている無料相談にも同じことが言えます。

 

こちらもセミナー形式から個人面談形式に変わっただけで、本質的な部分は同じです。最近の保険ショップなどでは無料相談を謳っているところが多くありますが、そうした無料相談を受けてみて「あぁ、時間の無駄だった」とおっしゃる方は決して少なくありません。


FPは「大人の家庭教師」?

ファイナンシャルプランナーとしてコンサルを行っていると、時々「FPは大人の家庭教師と言えるのかな?」と思うことがあります。

 

FPが行うコンサルの内容も、部分的には無料セミナーや無料相談と共通する部分もあるでしょう。しかしながら、話し手が自分の都合で話すのと、お客様の要望にお応えして話すのでは、その意味合いはまったく変わってきます。

 

さらに言えば、どんなに重要な情報でも聞き手に受け入れる準備ができていなければ、自分のものにすることはできません。

 

逆に「必要な情報」を「必要な時」に「聞き手の知識に合わせて」提供できれば、それは大きな財産になります。その意味でコンサル業務は家庭教師に通じるものがあると感じています。

 

持っているお金に限りがあるように、その人に与えられた時間も労力も無限ではありません。コストという言葉を「お金」という狭い意味で捉えず、より大きな視点から自分のコストの有効利用を考えてみるのも良いでしょう。

(2016/10/19 文責:佐野純一)

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