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“お得”が好きな人ほど要注意! 〜「正解」×「正解」=「不正解」?〜

みんな「お得」が大好き! でも…?

突然ですが、皆さん!

 

「お得」なこと、お好きですよね(笑)。

 

ちょっと周りを見渡せば、いろいろな会社が安売りを競ったりポイントをつけたりと、それぞれにお得をアピールしています。

 

それもそのはず、世の中にあまり「お得」が嫌いな人はいません。かくいう私ももちろん大好きです!

 

ところが、そんなみんな大好きな「お得」がライフプランでは必ずしも正解でないことがあります

 

「お得」とは基本的には支出が減ることですから、人生のお金を考えるライフプランでは当然それが正解になる…と思っている方も多いはず。

 

あえてもう一度言います。ライフプランを考える上で「お得」は必ずしも正解とは限りません。それどころか、むしろ「お得」に走り過ぎると苦しくなることさえあるのです。

 

どういうことなのか、実際の例を見ながら考えてみましょう。


ライフプランにおける「お得」とは?

皆さんはどういったときに「お得」を感じるでしょうか?

 

もちろん、物を安く購入できた時ですよね。

 

例えば、あるお店で1000円で売っていた商品を違うお店で800円で買うことができたのならば、ほとんどの人が「お得」を感じるはずです。

 

こうした日常の「お得」がライフプランに大きな影響を及ぼすことはあまりありません。お得であろうがなかろうが、ライフプランとして支出がコントロールできていれば問題ないからです。

 

ライフプランに影響する「お得」とはもっと金額が大きく、なおかつ長期間に支払いが行われるものです。具体的には、「住宅ローン」と「生命保険」がそれにあたります。

住宅ローンと生命保険の「お得」

では、住宅ローンの「お得」とはなんでしょうか。

 

ご存知の通り、住宅ローンは金利によってその総額が大きく左右されます。

 

高い金利で長い間ローンを払い続ければ返済総額は多くなりますし、反対に安い金利で短い支払い機関にすれば金利部分を少なくすることができます。

 

そのため、最長で35年間借りられるローンをもっと短い期間で組む方がいます。そのほうが住宅ローンが「お得」だからです。

 

一方の生命保険の「お得」とはなんでしょうか。

 

後でお金が戻ってくる、いわゆる「貯蓄型」の保険は保険料を払う期間によって戻ってくる金額に差がでます。

 

例えば、30才で加入して60才で満期金が戻ってくる保険があったとします。支払う保険料の総額は300万円です。

 

この300万円を30才から40才の10年間で年間30万円ずつ払う場合と、30才から60才までかけて年間10万円ずつ払う場合では、60才時点での満期金が変わってきます。始めの10年間に払い切ってしまったほうが生命保険会社がそのお金を運用できる時間が長くなるため、契約者により多くのお金を戻すことができるのです。

 

そのため、なるべく短い期間で保険料を払い切ってしまおうとする方がいます。そのほうが生命保険料が「お得」だからです。


でも、ライフプランはこうなる!

住宅ローンも保険料もそれぞれ単体で考えれば、「お得」で「正解」でしょう。そのことに異を唱えるつもりはありません。

 

しかしながら、この両者を一般的なライフプランに落とし込み、キャッシュフロー表(貯蓄残高の推移表)を作成するとこうなります。

 

 

 

住宅ローンを短く組むことも保険料を短い期間で払うことも確かに支出を減らすことができます。その証拠にキャッシュフロー表の後半、老後の貯蓄にはかなり余裕が出ています。

 

ただ、このキャッシュフロー表を見て不安にならない方はいらっしゃらないでしょう。

 

そうです、いくら老後に余裕があったとしてもそこまでたどり着けるか定かではないからです。

 

実はお金に敏感な人ほどこうした罠に陥りやすい傾向にあります

 

「総支払額が減るから」「お金が増えるから」と「お得」な方法を選んだ結果、キャッシュフローが回らなくなってしまうのです。確かに老後資金はライフプラン上の大きな課題ですが、使い切れないほどの老後資金のために一番活動的な時期にカツカツでは本末転倒と言わざるを得ません。

 

ライフプランという長いスパンで考えた時、「お得」と同じくらい、いやもしかしたらそれ以上重要になるのが「お金の回り方」です

 

上のキャッシュフロー表のように近い将来のキャッシュフローに不安があるようであれば、まずはそのための対策を練らなくてはいけません。例えその対策が単体で考えれば「お得でない」としてもです。当たり前の話ですが、近い未来が成立しなければその先の遠い未来は存在しないのですから。

ファイナンシャルプランナーにできることとは?

初めてお会いするお客様にこう聞かれることがあります。

 

「ファイナンシャルプランナーって何ができるんですか?」

 

その方のご相談内容によって答え方には色々ありますが、共通して言えることが、

 

「FPは特定の分野の専門家ではありません。ですが、お金のことを包括的に考えるプロです」

 

ということです。

 

目の前の、しかもそれ単体としての正解を考えるだけであれば、その分野の専門家で十分でしょう。

 

しかしながら、ライフプランという観点では今回の事例のように「正解×正解=不正解」のこともあります。それぞれのパーツ毎に考えるのではなく、総合的にその方によってどんな方法が良いのかをご提案するのがFPの仕事と私は考えています。

 

皆さんも目先の「お得」に必要以上に囚われることなく、ライフプランという長いスパンの中で自分にとって一番良い方法を考えてみてください。


(2016/11/23 文責:佐野純一)

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