不動産投資/アパート経営のご相談はFPグリュックへ!

相続対策で本当に大切なこと 〜「お得」より「順番」を考えよう〜

「相続対策=節税対策」ではない!

ファイナンシャルプランナー(FP)として相続のご相談を受けることは多々ありますが、そんな中で意外と多いのはこんな入り口です。

 

「相続税を減らすためにはどうしたら良いですか?」

 

確かに世の中には相続税を減らす方法はいくつもあります。当然、そうしたアドバイスをさせていただくことも少なくありませんが、相続の本質を見極めずにこうしたテクニカルな方法論に走ってしまうと後で思わぬ落とし穴にはまることも。

 

実は相続において本当に大切なことはそのような「節税対策」ではありません

 

では相続対策で本当に大切なこととは何なのか?

 

今回は、「“お金の相談”の専門家」ファイナンシャルプランナー(FP)が、相続対策における重要なポイントを3つ、大切な順番でご紹介したいと思います。これを読めば、あなたの相続対策の考え方がガラッと変わっているはずです。


一番大事なのは「分割対策」!

相続において一番大切なこと。

 

それは取りも直さず「分割対策」です。

 

相続は時には「争族」と揶揄されます。それまで仲良くしてきた親子や兄弟が、遺産を巡って揉めに揉めるという例は枚挙に暇ありません。

 

最高裁判所が発表した「平成26年度司法統計」によると、平成26年度に家庭裁判所に持ち込まれた相続案件は実に13,101件。

 

同じく平成26年の死亡数が約127万人ですので、いわゆる「裁判沙汰」になった相続だけで全体の1%以上。表面化していないものを含めたら、相続関係の揉め事はかなりの数に上るはずです。

 

こう聞くと、中には「相続争いで裁判までするなんて一部のお金持ちだけでしょ! ウチには関係ないよ」と思う方もいらっしゃるかもしれません。

 

実はコレ、大きな間違いです。

 

先ほどの統計13,101件のうち、なんと75%が遺産総額が5000万円以下の案件。遺産総額5000万円と言えば、法定相続人が3人いればほぼ相続税がかからないようなケースです。

 

つまり、遺産が多いから揉めるのではなく、「遺産が少ないからこそ揉める」ということがこのデータからハッキリ分かるのです。


なぜ分割で揉めるのか?

そもそも人はなぜ遺産を巡って争うのでしょう。

 

当然その根っこの部分には「自分の取り分が少ないのでは」という不公平感があります。

 

「兄弟だから平等」という考え方の人もいれば、「これまで親の面倒をみてきたのだから多くもらうべきだ」という人もいるでしょう。

 

「誰が正しいのか」「何が正しいのか」は状況やその人の立場によって大きく変わりますから、誰もが納得する答えを見つけるのは至難の業と言えます。

 

ただ、これが単純に取り分の割合の問題だけであれば、事態はそれほどこじれることはないかもしれません。例えば遺産が全て現金であれば、割合さえ決めてしまえば分割するのはそれほど難しいことではないからです。

 

分割問題をさらに複雑にしているのは、財産自体が分割できない性質を持っていることが多い点です。その代表格は、そう「不動産」です。

 

実際にトラブルになる場合が多いのが、自宅だけが遺産として残されたケースです。

 

自宅の他にも現金等の他の資産が遺されていれば、それらをうまく使って分割することもできるかもしれませんが、自宅だけでは対応が難しくなります。

 

子供二人が相続人だとした場合、家を物理的に半分に分けるわけにはいきませんし、一緒に住むというのも子供たちにそれぞれ家族がいたら現実的ではありません。

 

あるいは、長男は既に自宅をもっていて次男が家を継ぎたい場合はどうでしょう。

 

次男は自宅をもらう代わりに長男になにか渡す必要がありますが(これを「代償分割」と言います)、次男の経済状況によってはそれが難しいこともあるでしょう。それでは長男側が納得するのは難しいそうです。

 

現実的な事例としては、結局うまく分割できずに自宅を兄弟の「共有名義」にすることも多いのですが、これはオススメできません。

 

安易に不動産を共有名義にすることは、根本的な解決策とは到底いえず、ただ問題を先送りにしているだけだからです。


二番目は「納税資金対策」

続いて二番目に大切なこと。

 

それは「納税資金対策」です。

 

相続税は原則として「相続が発生してから10ヶ月以内に納付する」のがルールとなっています。

 

この相続税は「現金で一括納付」が基本。中には「物納」という言葉を聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれませんが、現金の代わりに不動産等を収めるこの方法を使うためには、国税庁が定めた幾つもの条件があることはあまり知られていません。

 

例えば、先ほどの自宅しか遺産がなかったケースはどうなるでしょう。現金がないから自宅を相続税代わりに納める「物納」を選択できるかというと、そんなに話は簡単ではありません。

 

あくまで相続税は現金で一括納付ですから、この場合は自宅を売って現金を作り、その現金から相続税を払うのが基本ルールです。

 

ここでネックとなってくるのが納税までの「10ヶ月」という期限です。

 

通常不動産の売買には時間がかかります。そのための期間として「10ヶ月」という時間は決して十分とは言えません。

 

十分な売却期間を設けられないと、いわゆる「売り急ぐ」という状態になってしまい、売主にとっては不利な状況になってしまいます。そのため、買い手に足元を見られ安く買い叩かれたなどというのは、相続の世界では当たり前のように聞く話です。

 

このように始めから納税資金の準備を考えておかないと、結果として遺産が目減りしてしまうことがあります。それどころか予めきちんと分割対策をしていたとしても、その一部を売って納税資金を作らなくてはならないようでは、せっかくの分割対策をやり直すことにもなりかねません。

 

分割対策と同様に、納税資金対策も相続における重要なポイントです。


三番目が「節税対策」

三番目に大切なこと。

 

ここでようやく「節税対策」となります。

 

確かに節税は大事です。節税対策を適切に行うことで、より多くの資産を遺族に遺すことができます。

 

ですが、節税対策にとらわれるあまり、うまく分割ができないような資産構成になってしまったらどうでしょうか。

 

わずかばかりの相続税をケチったばかりに遺族が争いを起こすような事態になってしまったら、相続対策としては本末転倒もいいところです。

 

また節税対策では相続税評価額が100%となる現預金を他の資産に組み替える手法が効果的ですが、そのために肝心の納税資金がなくなってしまうようではそれも大きな問題です。せっかく組み替えた資産をまた現金に戻すには余計な手間と時間、そしてコストがかかってしまうからです。

 

あまりに節税重視の相続対策では、結局のところ次の世代にきれいな形で資産を遺すことができません

 

世の中には多くの節税対策がありますが、それらに飛びつく前にまずは「分割対策」、そして「納税資金対策」をしておくことが大切です。

 

少し極端なことを言えば、「うまく資産を“分割”できて、きちんと“納税資金を確保”できるのであれば、多少相続税が高くなっても構わない」ぐらいの気持ちで相続対策を行わないと、円満な相続を実現することは難しいでしょう。。


「お得」よりも「順番」が大事

いかがだったでしょうか。

 

「“お金の相談”の専門家」ファイナンシャルプランナー(FP)の視点から、円満な相続に必要な対策を
@分割対策
A納税資金対策
B節税対策

の順番に考えてみました。

 

「相続で本当に大事なこと」とは、言い換えれば「遺族にとって一番良いこと」でもあります。

 

ライフプランという長いスパンでお客様と関わるファイナンシャルプランナー(FP)としては、目先の「お得」にこだわるよりも包括的な視点で「順番」を考えた相続対策こそが、その家族の長い歴史の中でプラスになると考えています。


(2016/08/17 文責:佐野純一)

関連テーマのページ


〜マネー設計が開く、幸運のトビラ〜

「ファイナンシャルプランナーって何をする人なんだろう?」
「興味はあるけど何を相談したらいいか分からない…」
「どんなことができるのか、まずはちょっと話を聞いてみたい」

 

そんなあなたのために“初回無料相談”を実施中です。

 

 

実際にコンサルティングをご利用いただいた
お客様の声をご紹介しています。

 

 

 

よく読まれている人気記事



関連ページ

税金を知ることが成功への近道! 〜実際に手元にお金を残すためには?〜
不動産投資を行う時につい後回しにしてしまいがちな税金のお話。しかし、実は税金とどう付き合うかが不動産投資の成否の分かれ目です。自ら賃貸経営を行う「現役大家FP」が、賃貸経営の基本「不動産所得」を解説します。
間違いだらけの相続対策 〜子供達に「負の遺産」を残さないため守るべきこと〜
相続対策としてのアパート建築は、致命的な間違いになることがあります。自ら賃貸経営を行う「現役大家FP」が、子供に負の遺産を残さない方法をお教えします。
「家賃収入○○○万!」の真実〜 “収入”と“所得”って何が違うの?〜
「家賃収入」という甘い言葉に騙されていませんか?家賃によって得た収入を給与収入と同じように考えてしまうと、とんでもないことになってしまいます。自ら賃貸経営を行う「現役大家FP」が、家賃収入の真実に迫ることで不動産広告の裏側ををお教えします。
「減価償却」を知らずに賃貸経営の成功はない 〜不動産投資 数字のマジック〜
不動産投資を行う上で、減価償却は絶対に知らなくてはならない概念です。自ら賃貸経営を行う「現役大家FP」が、実践的な減価償却費の使い方をお教えします。
不動産投資節税効果のウソ 〜結果的に大家が損するワケとは?〜
節税を売り文句に収益物件を勧める不動産業がいますが、果たして本当でしょうか? 自ら賃貸経営を行う「現役大家FP」が、その節税効果に隠されたウソを暴きます!
法定相続人を正しく理解しよう 〜起こりうる大どんでん返しとは?〜
法定相続人を知らずに相続対策はできません。自ら賃貸経営を行う「現役大家FP」が、法定相続人の仕組みに隠された意外な落とし穴を解説します。
日本一高い税金を知っていますか? 〜贈与税と相続税の知られざる関係〜
日本一高い税金と言われる贈与税。その理由は意外にも相続税との関係にあります。自ら賃貸経営を行う「現役大家FP」が、この両者の関係を解説します。
遺言書には種類がある? 〜モメない相続のために今できること〜
遺言書に種類があることをご存知ですか。遺言書を有効に使って争族を回避しましょう。自ら賃貸経営を行う「現役大家FP」が、遺言書の種類とそれぞれの特徴を解説します。
相続した土地のこと誰に相談する? 〜まったく新しい第5の選択肢〜
相続した土地やアパートをどうしようか頭を悩ませる方も多いでしょう。「売るべきか」それとも「活用するべきか」。こんな時には誰に相談すればいいのでしょうか。自ら賃貸経営を行う「現役大家FP」が、相談の裏側に潜む各業者の思惑を解説します。
円満な相続のカギは“遺留分”にあり 〜揉めない分割のための基礎知識〜
「遺留分」という言葉を聞いたことがあるでしょうか? 遺産分割の時に登場するキーワードですが、その正しい意味は意外と知られていません。“お金の相談のプロ”である「現役大家FP」が、遺留分を分かりやすく解説します。
あなたの知らない不動産相続の難しさ 〜共有名義が後の「争族」を招く?〜
不動産の関するご相談を受けると、少なからず「共有名義」の土地や建物に出くわせます。不動産の世界ではそれほど珍しくない「共有名義」。しかしながら、相続問題を考えた時、これが最悪の選択肢になり得るのをご存知でしょうか。“お金の相談のプロ”である「現役大家FP」が、その理由を解説します。
自宅しか資産がない相続は揉める? 〜分割できない資産を分割する方法〜
2015年の相続税増税を機に、「自宅しか資産のない相続」が急増しています。分割できない自宅をどのように相続すれば揉め事に発展しないのか。「お金の相談のプロ」であるFPが解説します。
中古物件の減価償却はこう計算する 〜節税より大事な出口戦略とは?〜
あなたの不動産投資は減価償却費を味方にするかどうかでその結果が大きく変わってきます。計算が難しい中古物件の減価償却費を通して、「お金の相談のプロ」である現役大家FPが減価償却費のポイントを解説します。

ホーム RSS購読 サイトマップ
TOP プロフィール/ご挨拶 料金体系について 面談場所について ご相談事例 お客様の声