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失敗例B 「家賃がローンを上回っているから大丈夫…のはずが」

失敗例B 「家賃がローンを上回っているから大丈夫…のはずが」

「毎月入ってくる家賃でローンを返していけるので、あなたのご負担はありません!」

 

収益物件を売っている不動産業者(特に新築マンションデベロッパー)の宣伝によく使われるフレーズです。

 

その横にはよく手取額の計算式が載っていて、だいたい次のようなものになっています。

 

「家賃−(管理費+修繕費)−ローン返済額=手取額」

 

例えば、収益用新築ワンルームマンションを購入したとして、8万円の家賃収入に対し、管理費修繕費が併せて1万5千円、ローン返済額が6万円だとしたら、手元に5千円が残る計算になります。

 

もし、この条件で売り出している収益物件を購入しようとしている人がいたら、私は躊躇することなくこう言うでしょう。

 

「悪いことは言いませんから、やめておいた方が良いですよ」

 

私のところに相談にきていただいたお客様なら、気持ちとしては後ろから羽交い締めにしても止めてしまいたいところです(笑)。


「見えない出費」に気を付けよう

なぜこのパターンが不動産投資の失敗へ繋がるのか。

 

一つは「家賃下落リスク」というものがあります。家賃とは建物が古くなっていくにつれて徐々に下がっていく宿命。それに対処できなければ、不動産投資の失敗率は格段に高くなります。

 

また、「空室リスク」も失敗の大きな要因の一つです。先ほどの例で言えば、空室が1ヶ月あっただけで8万円の機会損失になります。毎月5千円のプラスでその損失を回収するのには、単純計算16ヶ月かかります。

 

ただ、上記の例で挙げたようなケースですと、家賃が下がったり空室率が上がるような未来の話ではなく、ほんの1〜2年の短い期間で破綻する可能性も否定できません

 

なぜでしょうか。その理由は、ここにまだ登場していない「見えない出費」にあります。

 

実は管理修繕費やローン返済の他にも、意外と多い「賃貸経営の出費」。これらを把握せずして、不動産投資の成功はあり得ません。


まず物件を買うときにいくらかかる?

不動産投資は資産運用として捉えるのであれば、運用効率が大事になってきます。

 

家賃とローンの関係性だけでなく、、まずは、物件を買う時の費用から考えなければなりません。購入時の「諸費用」と呼ばれるものです。

 

投資用の新築マンションであればローン手数料や登記料などで物件価格の3%程度、中古物件であればここに仲介手数料が加わりますから全体で6%程度の諸費用がかかるのが一般的です。

 

更に購入後半年ほど経って通知が来る「不動産取得税」があります。これは名前の通り不動産を取得した人に一度だけ課せられる税金で、こちらは固定資産税評価額の3%となります(収益物件には軽減の特例が適用されません)。

 

仮に新築ワンルームマンションを2500万円で購入したとすると、これらを全て合わせた初期費用が概算で100万以上となります。

 

これらの費用は月々のキャッシュフローで回収されるべきものですが、仮に毎月の手取りが5千円だとするとその回収だけでなんと16年以上の歳月を費やす計算になります。


継続的に出ていく費用もある

これだけでもやる気が削がれますが、ガッカリするのはまだ早い。管理修繕費の他にも、継続的にかかる費用はまだあります。

 

まずは、毎年かかる固定資産税です。固定資産税は都市計画税と併せて、固定資産税評価額の1.7%で計算されます。

 

住居には軽減特例が認められますので、先ほどの例のワンルームマンションですと、年間5〜6万円でしょうか。これだけで約一年分の手取り額が出ていくことになってしまいます。

 

さらに賃貸経営を中長期的に見ると、もっと大きな出費が控えています。

 

例えば、店子が退去した後の修繕費にも家主負担分があります。経年劣化した壁紙の交換にもそれなりの費用がかかります。

 

それだけでなく、室内の設備も何年かすれば取り替えなければなりません。特に負担が大きいのがエアコンと給湯器で、共に10年前後での交換が必要となります。それまで10年間コツコツ貯めてきたお金がこの二つの交換で無に還るなどということも十分に考えられるのです。


最後に手元に残るのはいくら?

止めを刺すのが、「税金の負担」です。

 

様々な出費を乗り切って手元にお金が残ったとしても、それがそのまま懐に入るわけではありません。確定申告により税金を納めなくてはならないからです。

 

家賃収入は10種類ある所得のうち「不動産所得」に分類され、他の所得と併せての総合課税となります。所得税は超過累進税率ですから、他の所得が多い人ほど家賃収入にかかる税金は多くなるという仕組みになっています。状況によっては、賃貸経営の毎月のキャッシュフローがマイナスにも関わらず、その上で税金を納めなくてはならない事態もあり得るでしょう。

 

さて、こうした過程を経て、最終的にはあなたの手元にどの程度のお金が残るでしょうか。少し想像力を膨らませれば、私がこうした形の不動産投資に否定的な理由がお分かりになるはずです。

 

当初からこれらの出費を計算して上で不動産投資に臨まないと、手元にお金が残らないどころか、最悪場合、給与などの他の収入からお金を持ち出すケースも考えられます。表面的な数字に惑わされることなく、包括的かつ長期的に収支計画を立てることが肝心です。

 

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