失敗例D 「好立地だから大丈夫…のはずが」

「不動産投資を行う上で、一番気をつけなければならないことは?」

 

そう聞かれたらあなたならどう答えるでしょうか。

 

その答えは人によって違うかも知れませんが、私だったらこう即答します。

 

「それは“空室リスク”です」と。

 

「家賃下落リスク」や「資産価値減少リスク」と並んで、不動産投資の大きなリスクとされる「空室リスク」。

 

なぜ私が「空室リスク」を最大の課題として挙げるか。失敗例を見ながらご説明したいと思います。


空室は「ゼロ」にはならない!

一般的に、「空室リスク」に打ち勝つ最も効果的な手段は「立地の良い物件を選ぶこと」とされています。

 

確かに人気エリアで駅近の物件であれば、入居者も集めやすく「空室リスク」を下げることは可能です。

 

ただし、どんなに優良な物件であっても空室率を「ゼロ」にすることはできません

 

なぜでしょうか?

 

賃貸経営をする人にとって、「空室率ゼロ」はある種の理想でしょう。しかしながら、実際には年間を通して空室が「ゼロ」になることはまずありません。たとえ入居待ちが出るような物件で、退去してからすぐに次の入居者が入ったとしてもゼロにはならないのです。

 

なぜかと言えば、入居希望者は「自分の目で部屋をみないことには賃貸契約をしないから」です。それに加えて、「賃貸契約の締結から実際に賃料が発生までにはタイムラグがあるのが通例だから」です。

 

例えば、今月末に退去する部屋があるとします。現行の家賃が発生するのも、住人が実際に引っ越すのも今月の末日です。

 

引越しが終わらないことには内見ができませんから、次の入居希望者が中を確認できるのが来月の頭。仮にその日に申込があったとしても、部屋のクリーニング期間が必要ですし、入居希望者としても申し込んだその日から賃料が発生するのでは負担が大きすぎます。

 

つまり、「退去→内見→契約→クリーニング→賃料発生」という流れを踏むと、最低でも2週間程度は空室期間が出てしまうのです(例外なのが、前入居者が契約期間を残して退去するケースです。契約期間にクリーニングを済ませてしまうことで契約期間の切れ目がなくなる例もあります)。

 

2週間を一年間で割れば、約4%に相当します。賃貸契約は一般的に2年間ですので、契約更新がなかったと仮定すると空室率は2%。最低でもここが出発点になるでしょう。


お部屋探しにも「旬」がある

部屋が空いたその日の内見で申込みがあったとしても、空室率は2%です。申込みまでに2週間かかったとしたら、賃料が発生しない期間が2年間で1ヶ月に延び、空室率は4%となります。もし2ヶ月なら8%にまで上昇します。

 

これは賃貸経営を行う上で、決して無視できない“リスク”です。

 

「ウチの物件は立地が良いから2ヶ月も空くことはないよ」という大家さんもいらっしゃるかもしれません。果たして本当にそうでしょうか?

 

世の中の全ての事柄に「旬」があるように、実は入居にも「旬」があります。賃貸業界においての「旬」は、何と言っても入社入学を控える「2〜3月」、続いてが「9月」と言われてます。この旬を逃すといくら人気物件と言っても、すぐに次の入居者が決まるとは限りません

 

私の経験上、一年のうちで部屋を探す人の動きが最も鈍化するのは、梅雨からお盆あたりだと思います。

 

仮に6月末に前の住人が退去して、お盆明けに次の申込が入ったとしても家賃が発生するのは9月から。あっという間に家賃収入の「空白の2ヶ月間」が生まれてしまいます。特に家賃設定を「旬」の時と同じにしておくと、さらに空室期間が延びてしまうことも決して珍しくありません。


サブリースは役に立たない

「そのためにサブリース契約をしているから安心だ」とおっしゃる方、ごもっとも。

 

不動産投資において「サブリース契約」とは「家賃保証」と同義に使われます。空室になっても大家に入ってくる家賃は変わらないわけですから、いつ退去者が出ても怖くありません。

 

ただ、つい見落としてしまいがちなのがサブリースの手数料です。

 

仮に手数料が10%だとすると、その時点で既に「空室率10%」と同じです。10%を期間に換算すれば、1年間で1ヶ月と1週間空いていることになりますから、これで本当に「空室リスクが回避できている」と言えるのでしょうか。

 

それでもサブリースなら空室率が10%以上には悪化しないという考え方もあります。

 

しかしながら、ずっと空室が続くようであれば、次のサブリース契約見直し時に大家に支払われる家賃が減額されるのは目に見えています。サブリース業者もずっと損し続けるわけにはいきませんから、募集家賃を下げてその分を大家に転嫁するのです。

 

サブリース契約によって問題が数年先送りされただけで、結局「空室リスク」を負うのはサブリース会社ではなく大家なのです


「空室リスク」をなくすことはできない。でも…

繰り返しになりますが、「空室リスク」をゼロにすることはできません。

 

しかし、なくすことはできなくてもそのリスクを“分散”することはできます。簡単です、「物件を複数持てば良い」のです。

 

ワンルームを一つ所有している状態では、その部屋が空いてしまえば空室率は100%です。これが2部屋持っていれば、片方が空いたとしても空室率は50%。3部屋持っていてその中の一つが空いているのであれば、空室率は33%です。持っている物件の数を増やしていくことによって、「空室リスク」を無理に押さえ込めようとするのではなく、“分散”していく手法です。

 

考えてみてください。

 

空室率が同じ25%だとしても、「1部屋が3ヶ月空いてしまう可能性」と「4部屋の内1部屋が丸一年空いてしまう可能性」ではどちらが高いでしょうか?

 

前者は先程の例を挙げるまでもなく現実的に起こりうる事態です。それに対し、後者が物件自体に重大な欠陥でもなければなかなか考えづらい状況と言えるでしょう。

 

次から次へと空いてしまうような物件を選ぶのは論外としても、「適正な家賃できちんと入居者を集めることができる部屋」を増やしていけば、その分だけ「空室リスク」を“分散”することができるイメージがお分かりいただけたのではないかと思います。

 

その意味では、賃貸経営を「安定した事業」の域まで持っていくには、ある程度の規模が必要なのかもしれません。

 

もちろん始めから規模の確保にこだわらなくても大丈夫ですが、空室リスクの分散を考えると予めある程度先のゴールを見据えておいたほうが良いと言えるはずです。


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